アメリカに勝った

日本がアメリカに勝つ瞬間を、ラーメン屋で見ていた。
店のオヤジは気が気じゃないようで、
せわしなくテレビの前を行ったり来たりしていた。


川崎・イチローの超人師弟コンビで取った1点に、
店内が沸いた。
ダルビッシュがモーションに入る度に、客の手が止まった。
そして最後の場面、
ダルビッシュが外角低めのストレートを決めたとき、
狭い店内で
“おぉ!”
と歓声が上がり、自然と拍手が起こった。
“やりましたね!”
“おめでとうございます!”
隣は知らない人だったが、
まるでじぶんのことのように、喜びを分かち合った。


オヤジも上機嫌だった。



「今日はもうタダでいいよ!」



とは言わなかったので、
ラーメン代400円を払って店を出るのであった。



日米野球や親善試合じゃなくて、
真剣勝負の国際大会でアメリカに勝った。
前回の借りを返すどころか、
今までの歴史をひっくり返すような快勝だ。
なんだか親より息子の方が強くなったみたいで、
正直複雑な気がしないでもない。
ただ今回は、
国の名誉のために戦うことに関しては、
日本の方がまとまっていた
そういうことだと思います。


いよいよ世界一に王手。
今こそ、
一戦必勝!